スプーンの素材

スプーンの素材

まいどです!こばやしです。

釣具、ルアーで広く使われている金属と言えば鉛、次いでタングステン。
少しマイナーなところだと亜鉛や錫(スズ)なんかも使われていたりします。

ではほとんどのスプーンはなにで作られているのか、意外と知らない方も多いのではないかと思います。

基本的にスプーンには「真鍮(しんちゅう)」を使われています、真鍮とは銅と亜鉛の合金で正式名称は黄銅なのかな?英語ではブラス(brass)です。
真鍮素材のモノで言うと仏具や管楽器(ブラスバンドとか言いますよね)が有名です。

そしてベネター開発にあたりまず素材を考えました、結局真鍮製となったのですが、なぜ真鍮がベストなのか考えるプロセスを経て素材を決定することよって深く理解することができました。

各金属の特徴はざっくりこんな感じです。

 

【鉛】
・やわらかい
・重い
・原材料費安い
・加工コスト低い
・環境負荷が大きい

【タングステン】
・非常に硬い
・非常に重い
・原材料費高い
・加工コスト高い
・錆びにくい

【亜鉛】
・軽い
・原材料費安い
・加工コスト低い
・錆びるがメッキ加工〇

【錫】
・やわらかい
・軽い
・原材料費高い
・加工コスト低い
・錆びにくい

【真鍮】
・硬い
・鉛より軽く錫より重い
・原材料費タングステンより安く亜鉛より高い
・加工コストタングステンより低く鉛より高い
・錆びるがメッキ加工〇

【ステンレス】
・硬い
・原材料費安い
・加工コスト高い
・錆びにくい

【鉄】
・硬い
・原材料費非常に安い
・加工コスト高い
・錆びやすいがメッキ加工〇

【アルミ】
・非常に軽い
・原材料費安い
・錆びにくい

 

 

次に、各項目の序列をつけると以下の通りになります。
(すべて高い順)

・硬度
タングステン→ ステンレス→ 鉄→ 真鍮→ アルミ、亜鉛→ 錫→ 鉛

・比重
タングステン⇒ 鉛→ 真鍮→ ステンレス、鉄→ 錫→ 亜鉛⇒ アルミ

・製造コスト
タングステン→ 錫⇒ 真鍮→ アルミ、亜鉛、ステンレス→ 鉛→ 鉄

 

 

スプーンという商品を作るにあたり現実的に具現化可能な素材はこの8つだと考えました、さらにここから絞り込むと、

・鉛、錫:柔らかすぎて×、スプーンは平べったいルアーなのですぐ変形してしまう。さらに鉛は環境負荷が非常に大きい。

・アルミ:軽すぎて×、飛距離やフォールスピードを出せない。

・タングステン:コストが高すぎて×、シンキングルアーなので根掛かりは避けて通れない、高すぎるスプーンは実用的ではない。

 

となり、残るは亜鉛、鉄、ステンレス、真鍮。

この中で最も重視したいものは「比重」、亜鉛が約7.1、鉄およびステンレスが約7.8、真鍮が約8.5。
比重が高けりゃ良いということではなく、そのルアーに求める性能にマッチする素材を選ぶことが重要であり、万能スプーンにおいては遠投性能やある程度のフォールスピードも必要でした。

総合的に考えてベネターの素材においては真鍮がベストであるという結論に至りました、結局真鍮です笑

 

ただ今回改めて素材を精査することにより知識やアイディアが増えました、現在構想中のルアーの開発に反映させます♪

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