まいどです!小林です。
前回のブログでベネターに求めた大きな3つの性能は、
- フォール時の動き
- アクションとウエイトの最高交差点
- デッドスロー~超速巻きまでの対応力
と書きました。
今回はこのうち「フォール時の動き」についてお話させていただこうと思います。
と、その前にベネターの手打ちプロトをチラっと。
大枠がほぼ決定したプロトベネターです、しかしまだここから微調整。
【フリーフォール】
スプーンにおいて効果的なフリーフォールとは、ヒラヒラと回転を伴いながらバックスライド気味に落ちていくことだと考えています。
スプーンなんてどれもヒラヒラ落ちていくんちゃうん?と思われる方も少なくないと思いますが、実は凹みを上側にしてどんぶらこどんぶらこと落ちていったり、また回転し過ぎでフォールスピードが遅すぎるようなスプーンもあります。
決してこれが悪いということではないのですが、汎用性や使い勝手、または食わせるキッカケ等の観点からすると前述したようなフォールが万能スプーンにおいては理想だと考えています。
またスプーンはメタルジグやメタルバイブと比較するとフォールが遅いルアーです。
これはその形状や素材、フォール姿勢からそうなるのですが、使い勝手を考えると可能な限りフリーフォール時においては早く沈む設計を施しました。
ただ、フォールの速さだけを求めると単純に分厚いスプーンになります。
しかし分厚すぎるスプーンはリトリーブ時のアクションピッチが遅くなったり、また速く巻くとただグルグル回ってしまうだけ、というスプーンになり、結果的に釣れにくくなるという本末転倒な結果となってしまいます。(もちろん分厚いスプーンにも優位性のある状況もありますので一概に悪いとは言えませんが。)
この理由から、「アクション性能に悪影響を与えない範囲で可能な限り速いフォール」を目指し、結果としてちょうど良いフリーフォール速度、動きになりました。
【テンションフォール】
テンションフォール時に求めたモノは所謂「スライドフォール」です。
回転しながらそれに伴い右か左にスライドしていく動きです、ベネターはテンションフォール時にスライドフォールするよう設計した為、その動きを妨げないよう、または糸撚れが発生しないようにデフォルトでスイベルを付けてあります。
なぜスライドフォールするようにしたかと言いますと、単純に釣れるからです。
キラキラと早い回転を伴いながら蛇行してフォールしていく動きに、魚は弱った小魚を感じるのか?実際によく釣れます。
その動きを見るとたしかに釣れそう~と感じます笑
また例えばジグヘッドリグなんかと比較するとフリーフォールとテンションフォールでフォールスピードの差が大きいので、早く沈ませたければフリー、ゆっくり沈ませたい若しくはあまり沈ませたくない時はテンションフォール、といった使い分けが同じルアーでできる点も利便性は高いです。
今回開発においてテンションフォール時の動きに関してはそんなに難しくありませんでした、それよりもフリーフォール時のスピードや動きの調整をリトリーブ時の動きと併せてバランスをとっていく作業に、極めて骨を折りました。
良いフォールになったーと思ったらスイミングアクションがダメになっていたり、逆に良い泳ぎになったーと思ったらフォールがダメになっていたり…
両立するバランスなんかほんまにあるんかい、とひたすらに失敗を重ねました笑
そのおかげ?で良いバランスに到達することができました、人によってはこれはフォールが遅い!や、逆に早い!と思う方もおられると思います、こればっかりはそれぞれの釣り人によって求めるモノが違ったりするのでなんとも言えませんが、万能スプーンとして良いところに落ち着けたとは思っております。
次回のブログはアクションとウエイトについて、です。